修 学 院 ・ 曼 殊 院 門 跡



さて、そんなこんなでこの
曼殊院のハイライト、重要文化財指定の茶室、
「八窓軒」を見学
(写真撮影は禁止だったので、
遠くから外見だけですが)


お坊さんの案内で何度か扉を
くぐったあげくにたどりつくほの暗い空間。
次第に目が馴れてくると、墨を塗ったような
暗くて狭い、貧乏臭い空間に、
小さな窓がいくつか
開けられているのがわかりました。
「このお茶室の明り取りの窓は
人間の八つの穴を象徴しています」
とお坊様。
八つ……目、鼻、口、耳。
あとひとつはどこだ?
ものすごく下品なことを考えているのを
察したかのように、お坊様が、
「心のことなんですよ」。
「………」(^^;



なんとなくパリのカルチェラタンにある、
クリュニー美術館の一角獣と貴婦人の
タペストリーの連作を思い出していました。
聴覚や視覚など人間の官能を
あらわすタペストリーのあと
暗がりに浮かび上がる A Mon desir seul
(我が唯一の欲望へ)と題された
神秘的なタペストリー。
それは感覚の喜びを捨てたあとにしか
得ることの出来ない
心の充足を表しているともいいます。

この茶室もきっとそんな空間なのかもしれません。
心と心の出会いの場として、
極端に感覚的な喜びを得られる装飾を廃した
何もないミニマリズムの極致。
近現代建築に通じるセンス、とも思ったのでした。
貧乏臭い、なんて思ってすみません。(^^;

 池坊流による生け花。
池坊では「立華」と呼ぶそうです。
もともと池坊は仏前にささげることから
はじまった流派なので、
こういう空間に生けられているのが
本来的なのでしょう。

で、この曼殊院にはもうひとつ
すごいものがあります。
近江の某所にあったという
「幽霊の掛け軸」。
災いが相次ぐので、
納められたということだけれど、
観ただけでもなんか起こりそうだ
というほどすごいものらしい。
一度観た同僚などは
「あの目が忘れられない、
もう二度と行きたくない」と
言っていました。

この寺に
詣でること数度。
一度も観たことがない。
ラッキーなのかアンラッキーなのか。


***
とにもかくにも、
すこし市中から離れていますが、
時間のムダにならないおすすめの寺院です。



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